2010-現在
青の記憶
大自然の中にいる時、そこに神々しい「何か」を
感じたことはないだろうか。それは、見えるようで
見えない、透けるようなおぼろげな存在。
精霊の気配なのかも知れない。
遡れば、太古の昔、人々の住む世界は精霊であふれていた。
人々は自然界の万物に神々しい「何か」を感じ取った。
私は自身が海へ潜り、水との対話を続けて、現代にも
残る精霊の気配を追い求めている。
水の中で出会った透けるような精霊の気配と
その神々しい瞬間を切り取りたいと願い、透明な
ガラスやアクリルの作品を創っている。
都会に暮らし自然との関わりが希薄になったといわれるが、現代に生きる私たちにも、太古の人々のような精霊の声を聞く力は失われていないと断言できる。私たちの心の奥底に眠る太古の記憶を今に呼び覚ますことができたら ―
“青の記憶“と題した私の作品が、そのきっかけとなればと思っている。
青の記憶 web story