<Chapter 1 フジとの出会い>
☆2003年8月
すべての始まりは、昨年の夏、8月の神戸阪急での個展から。
美ら海水族館の金髪ちょんまげ獣医の植田君が個展に訪ねてきてくれ、イルカのフジの資料を手渡していったことから始まった。
フジの子供が国内の水族館で生まれ育った最長記録を持つ事から、いかにフジが長生きなイルカかが分かる。そのフジが約二年前、尾びれが次第に壊死する病気にかかり、2度の手術に挑んだ。手術の最中、残された尾びれの小ささから、スタッフの中にもフジの死を覚悟するものもいたほど。しかし、「人工尾びれを作ってでも、フジを助ける!」と宣言し、その実現のために奔走していたのが、熱いパッションを持つ獣医の植田氏だった。
彼がまず向かったのが、タイヤメーカーのブリヂストン。いきなり一部上場企業とは大胆な行動だが、奇跡的にも感心を示す人々の出会いと、彼のパッションにより、<ブリヂストン・尾びれ再生プロジェクトチーム>が立ち上がることになった。
そして、このブリヂストンのゴムの人工尾びれを、彫刻家として美しいものに仕上げてほしいと植田氏から依頼されたのが始まりだった。 |